「〇〇業界の人」のような目線は、持つ意味が乏しくなった。

daily13 事実の直視。

私はいままでの立場として、統計学を用いるアナリスト業界、FP&Aや経理部門・SCM、

そこから派生してデジタル分野からコンサル業界に近いところにいた。

そのように自由奔放に動いた結果、ひとつわかったことがある。

 

「〇〇業界」という目線は、もういらないという事実だ。

 

そもそもだが、私はもともと統計学を用いてインパクトを残す仕事をしたかったのだが、

そこにゴリゴリのテクノロジー要素から、ゴリゴリの資本主義要素や、ゴリゴリの文筆業要素を混ぜ込んだ立場がアナリストだと気づいた。

要は知識をアップデートして、洞察を出し続ける立場であり、それをやっていけば勝ててしまうのだ。

これは大学や大学院でやることや求められる知識の活用でカバー出来てしまうため、

わざわざ「どこそこの業界」と名乗ること自体に意味はなく、シンプルに価値を出していけば事足りるのである。

 

また、サラリーマン時代に経験した「部門」という目線で言えば、

ごく一部であるFP&Aやデジタル分野やリサーチ・戦略を除けば、実はテンプレート通りにやるだけで、ラクにできてしまうことばかりである。

今だから正直に告白するが、経理部門やSCM部門の仕事は、VBAやPythonやコマンドラインで圧縮して爆速で終わらせており、1日の業務時間は実質30分〜1時間程度だった。

サラリーマンの大多数は単に知識不足だと本で読んでいたが、その通りだったと実感していた。

そのノウハウを構築したのち「データ分析が重要」と職務記述書にあった外資企業の経理部門に移籍した(フタを開けたらFP&Aではない事務処理という大ウソ・大ハズレだった)のだが、

自分より上の職位で難関資格持ちの人が、レベルも付加価値の低い事務処理で忙殺されていた割に、

指示の仕方も、仕組みの作り方も、マネジメントも、すべて粗雑でお世辞にもプロと言えない三流の仕事だった(逆に自分がマネジメント側に回ったほうが早いと直感した)。

この採用ミスと準備不足に「こりゃダメだ!」と直感し、さっさと別な企業のFP&Aに移ったのは、言うまでもない。

 

率直に申し上げて、最初は「あの難関資格を持っていてこのレベル?全く信じられない…」と辟易したのだが、

結局は資格試験は最低ラインをクリアするための基礎に過ぎず、仕組みを作ってデータ分析から組織をぶん回す横串型であるFP&Aの経験とは関係がないと腹落ちした。

 

要は、「業界」や「部門」に特化してしまうと、ついうっかり縦割りで終わってしまい、本来付加価値を出すための知識や行動に結びつかないのだ。

 

世の中には「構造的暴力」という学術用語があり、間接的・潜在的・不可避的にふりかかるダメージがある。

それと同じで「構造的無力」とでも呼べる物事が、常に業界や部門に不可避的に潜んでおり、

「業界人」「部門人」という縦割りで済んでいたときには出てこなかった問題として、価値のない行動に値段がついているケースが多々あると思っておくといい。

 

現実解。

「〇〇業界」「〇〇部門」のカベが超えられない問題は多々あるが、

昨今のデジタル化やスタートアップは、この発想を着眼点のひとつとして、サービスを作っている。

要は、そのようなどうしようもなくレベルの低い体たらくには、チャンスがあるのだ。

 

追記。

思えばサラリーマン当時、自分より明らかに価値が薄い上司に使われたことも、

その状況であっさり「やめます」と言ったことも、次がさっさと見つかったことも、

思いっきり今こうして突出するチャンスにつながっていた。

ボックスコックスネット、遠藤武。

遠藤武(えんどう・たける)
グロースハッカー。

↑詳しい自己紹介は上記リンクを参照。

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