言葉の選び方が価値をつくる。
ビジネスの現場で使う言葉は、思っている以上に結果を左右するのだ。
私は年売上高3〜5億円規模のオーナー社長に仕組み化を指南しているが、
どの言葉を使うかで、理解と行動の速さも深さも変わる。
だからこそ、あえて使わない言葉を決めている。
例えば私は、「中小企業」という言葉も使わない。
これは法律用語であって、現場の実態ではない。
本質は、オーナー社長が株式を持って意思決定している企業かどうかである。
だから「オーナー企業」と呼ぶ。
(そもそも「中小」と他人から呼ばれるのも大きなお世話だ。)
また「コンサルティング」という言葉は私は使ったことがない。
代わりに「仕組み化指南」と呼んでいる。
理由はシンプルで、
実力がいまいちな割に使いたがるケースが多い「威嚇語」であるためだ。
例外は、既存の外資コンサルティングファーム経験者のうち上澄みであったり、
あるいは独自のビジネスモデルとM&Aの掛け算で価値をつくる資本家である場合だ。
これらは本当にコンサルを名乗っていい下限である。
いっぽう大多数は「コンサルを自称して威嚇する」ことしかしていない。
大多数のヘナチョコに寄せる必要はない。
同じように、「組織」という言葉も使わない。
オーナー社長にとって、組織は理想でも概念でもなく、
日々の悩みの種であり、単なる道具にすぎない。
だから「体制づくり」と言う。
どう動かすか、誰が何をやるかに焦点を当てる。
「戦略」や「変革」も同じである。
言葉としては立派だが、
目の前のToDoが回っていない状態で語っても意味がない。
だから「しんどさ退治」と言う。
現場で詰まっているところを一つずつ解消する。
その積み重ねが結果として戦略をつむぐ。
このほか、
「ブランディング」ではなく「仕組み化」、
「マネジメント」ではなく「体制づくり」と「ToDo」、
「パーパス」ではなく「本音」、
「カスタマーサクセス」ではなく「お客様の成功」のように、
小学4年生くらいでもわかるように言い換えている。
言い換えていくと、実は論点が大きく変わる。
カタカナ語や威嚇語は、一見するとそれらしく見えるが、
現場ではからきし役に立たないとバレる。
ニセモノをカットできるのだ。
ニセモノは、発し手の主語ばかり大きくなり、聞き手が動けなくなる。
その真逆を取ることが、シンプルな言葉遣いである。
そもそもニセモノや詐欺師は、美辞麗句や造語ばかり並び立てて誤魔化すから、
シンプルな言葉遣いなど怖くて使えない。
日常語であること。
小学校高学年でも理解できること。
そのまま動きたくなる表現であること。
そして必要に応じて、
マーケティング、営業、経理、財務、SCM、FP&A、ITといった、
実際の業務に直結する言葉を使うこと。
あるいは、数学や統計、応用行動分析のように、学術的な言葉を使うこと。
このような教養が重要なのだ。
言葉とは飾りではない。
社長と社員が、そのまま使い続けられるかどうか。
その言葉で、その場で成長できるかどうか。
そこに価値がある。
現実解。
その場しのぎの美辞麗句ではなく、長く使えて知見が残る言葉を選ぶ。
仕組みがそのまま残せる上に、アップデートもかけられるから、全てにおいてお得だよ。
ボックスコックスネット、遠藤武。
