何かを「こっそりやる」というのは、
それだけでものすごく大きな楽しみだ。
学校や仕事を早々にサボって読書や物書きにふけるもよし、
隠れ家のような喫茶店にこもって外の喧騒を眺めるもよし。
幼少期にこんな喫茶店や鉄道模型にドキドキしていたけれども、
これは大きな流れとひっそりこっそりとした佇まいの両方が見えて、
大多数から外れた想像力を思いっきりかきたてられたことに他ならない。
「こっそりやる」ことと似た感情をここに抱いていたけれども、
これは大多数の流れと違うことを楽しんでいる状況を、
頭のてっぺんから爪先まで実感していたということだ。
目に見えないためにこっそりしているだけで、
これは実は思いっきり堂々とした感覚なんだよね。